大神輿
解説
常陸國總社宮で現在保管する3基の神輿のうち最も大きいもので、いわゆる本神輿として用いられる。
明治30年(1897)の例大祭の際に青木町の棟梁・小井戸彦五郎によって製作され、平成9年(1997)の例大祭の際に栃木県石橋町の神輿師・宝珠堂の小川政次によって修復された。台輪寸法は4尺、総重量は担ぎ棒を含むと1トンである。修復の際、もともと屋根に取り付けられていた十六菊花紋の飾り金具は一回り大きく新調された。また、それまで用いられていた紅白の飾り紐も紫色に新調された。新調の際には宝珠堂前で「神輿受納式」が行われ宮司、氏子会長ほか露祓三町のささら、幌獅子など100名以上の氏子が参加した。
神幸祭の朝、年番町の神輿部は總社宮直属の御み 綱つな役やくとともに神輿庫から大神輿を出し、土俵上に安置する。御綱祭において綱や鳳凰などとともに祓い清められ、その後発輿式までの間に装飾が施される。
年番町は毎年概ね200名の担ぎ衆を募る。元々は町内から若人を集めていたが、近年は相町や年番町以外からも人材を募っている。担ぎ衆は神社保有の白丁(浄衣)と烏帽子を着用しなければならない旨、取り決められている。
年番町へ渡御した大神輿は仮殿で2晩を過ごす。鎮座後、還幸祭が始まるまでの間、仮殿へは氏子崇敬者が列を成して参拝する。